【コラム】:物損について(21)

2025-08-29

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,車の修理代金や代車使用料などの物損もあります。
 なお,自賠責保険は人身事故のみ対象としており,物損事故による損害は対象外となるため,物損事故による損害は,加害者または加害者が加入している保険会社に請求することになります。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

6.代車使用料
(3)代車の認められる期間(2)
・ 乗用車に衝突された原告会社所有の原動機付自転車の代車費用につき,月額1万2000円で代車を借りているところ,当事者間で本件事故の態様,過失割合に関する対立が深刻であることや訴訟に至る経緯を考慮し,買い替えを要する期間を1か月半とみて1万8000円の代車費用を認めた。
・ BMW(グレード不明,初度登録から1年2か月,時価約495万円)につき,修理部品をドイツから搬送せざるを得ず,3か月という修理期間が不相当に長いとまではいえないとして,約3か月間のレンタカー費用119万円余を認めた。
・ ハイエースにつき,受注生産であり納車まで2か月から2か月半であることを考慮して,約3か月間の代車費用80万円余を認めた。
・ 事故車である従業員送迎用に使用していた大型観光バスにつき,左右側部にわたって損傷が生じ,修理費用も相当高額(464万9940円)であることに加え,修理に必要な部品の調達に約1か月を要するものがあったことも考慮すれば,3か月間の修理期間は必要かつ相当であるとした。
・ タンクローリーにつき,特殊車両であり中古車市場において取り引きするのが困難であるため,別のタンクローリーに買い替える場合,シャーシ(受注生産)のみを買い換えてタンクを載せ換えるという特殊架装を行う場合にも相応の時間を要するものと認められるが,修理見積が出て,実際に修理するのが難しいと分かってから買い換え手続を始めるまでに1,2か月程度掛かっていたことを考慮し,6か月半の代車使用期間のうち,月額19万4400円,4か月分の77万7600円を認めた。
・ 被害者が炎上した車内にて焼死した事故の被害車両(所有者は被害者の夫)につき,夫が事故後の対応に奔走していたことからすると,車両の買換までに期間を要したこともやむ得ない面があり,代車の使用期間が不相当に長期化したとはいえないとして,約3か月間の代車費用15万円余を認めた。
・ 損傷した車両が納車前の新車であり,買主が当該車両とは別の新車の納車を受けるまでの間,売主から代車を借りた事案につき,買主が当該車両を修理した上で使用するのではなく,別の新車の納車を求めるのは当然であり,修理に必要な期間を超えても代車利用の必要性,相当性は欠けないとして,事故発生日から納車までの74日分,19万9800円の代車費用を認めた。
・ 135日代車を使用した事案につき,事故後約1か月程度は,加害者の保険会社担当者との間で,評価損を含む車両損害に関する解決に向けた協議が続けられていたこと等を踏まえ,70日分112万円余を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,6年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 物損事故の場合,被害者の加入している車両保険を使用して解決する方もいらっしゃいますが,等級が下がり翌年からの掛け金が高くなります。被害車両の損害状況や過失割合によっては車両保険の使用をお勧めすることもありますが,弁護士費用特約を使用し,弁護士が加害者と交渉することで,適正な賠償額を回収することができます。弁護士費用特約は使用しても等級が変わらず,翌年からの保険料も変わりません。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所は物損の解決実績も多くありますので,車両保険を使用して高くなった保険料を払うか,弁護士費用特約を使用して保険料が変わらずに解決できるか,ぜひ,一度ご相談ください。

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