【コラム】:慰謝料(45)

2024-12-23

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5 慰謝料の増額事由
(1)加害者に故意もしくは重過失(無免許,ひき逃げ,酒酔い,著しいスピード違反,ことさらに信号無視,薬物等の影響により正常な運転ができない状態で運転等)または著しく不誠実な態度等がある場合
  ③ 傷害事例
・ 加害者に飛び出しを咎められたが,加害者が酒に酔っていたので無視した保母を加害者が追跡し追突した事案で,追突は車間距離不保持が原因とし,危険な態様の追跡で多大な恐怖感を与えたとして,頸部挫傷等の傷害慰謝料50万円(通院107日,実日数28日)を認めたほか,交通事故惹起時点までの不法行為に対する損害賠償として被害者本人に25万円,同乗者に15万円を認めた。
・ 事故により全治一週間の被害を受け1日通院で全治したが,事故直後,加害者が被害者を現場に放置したまま走り去ったため,傷をおして追跡し立ち会い等をした被害者につき,20万円を認めた。
・ 頚椎捻挫,両膝打撲で入院9日間,通院期間146日(実日数15日)の傷害を負ったラーメン店手伝いにつき,加害者が過失の存在を強く争い,全く損害の補填がされていないこと,加害車両の修理に関しても,加害者は被害者の要求にもかかわらず被害者に損傷個所の確認や損傷個所の写真を送付することなく一方的に修理してしまったこと等を考慮して65万円を認めた。
・ 全身打撲,頸部挫傷等で事故から約1年9か月(実日数174日)通院した大学勤務につき,加害者が赤信号無視で交差点に進入したが捜査機関に青信号であったと故意に虚偽の供述をしたため,被害者が被疑者として取り調べを受け,胃炎,円形脱毛症等を発症したことも考慮し,慰謝料200万円を認めた。
・ 追突事故による頚椎捻挫等で約4ヶ月通院した飲食クラブフロント主任につき,加害者が無過失を主張し,信用できない解析を証拠として提出するなどしたため紛争解決までの期間が著しく長期化したこと等を考慮して80万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,5年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

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